2022.11.08メールマガジン

今、インターンシップを振り返る。三省合意と三者(企業・大学・学生)の思惑。総括調査から見る、インターンシップの未来。

弊社では、毎年の就活・採用市場の総括として、『新卒採用戦線総括』を作成しております。本調査の中で、インターンシップの振り返り、三省合意についての認識など今後のインターンシップを考えるうえで、参考になりそうな情報がいくつか集まりました。

本日は、「インターンシップ」「三省合意」についてピックアップしてご報告します。本調査の全容については、弊社HPよりご請求ください。

※調査にご協力・ご回答いただきました企業様・大学様には、『新卒採用戦線総括』及び、調査の一部を掲載した『週刊東洋経済(10/31号)』を送付予定です。

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■TOPICS
【1】三省合意と、企業・大学・学生の評価・コメント
【2】新ルール下での活動時期の変化(予測)
【3】企業のインターンシップ実施・検討状況と学生の認識
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【1】三省合意と、企業・大学・学生の評価・コメント
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釈迦に説法となり恐縮ですが、三省合意の基本情報のおさらいです。
以下の通り、文科省・厚労省・経産省の三省が合同で、25卒以降のインターンシップの在り方について、扱いや定義を変更する旨を発表しました。

▼インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000949684.pdf
[文部科学省/厚生労働省/経済産業省](2022.6.13)

▼現大学2年生より、インターンシップのあり方が変わります!
https://www.meti.go.jp/press/2022/06/20220613002/20220613002.html

特に注目されているのが、4類型に分類された「キャリア形成支援に係る産学協働の取組」の「タイプ3:汎用型能力・専門活用型インターンシップ」です。
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※「タイプ3」の主な基準
日数(5日以上)/就業体験必須/出社必須(テレ併用可)/社員参加必須/学業配慮日程での開催(夏季・冬季・春季休校期間)
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この三省合意(新ルール)について、企業・大学・学生の評価・コメントを比較したいと思います。
>> 総括資料(P.26【2章】18・19)掲載しております。
メール下部よりご確認ください。

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Q.「インターンシップでの学生評価情報を公に採用選考の評価(3月以降)に
活用出来るようになる」ということになりました(2025年卒以降・現在は禁止)。
これについてどう思いますか。
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【学生】【企業】【大学】
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21.3%  14.7%  1.7% 大歓迎
37.4%  23.3% 16.1% やや歓迎
28.9%  52.1% 62.6% どちらとも言えない
16.1%  6.7% 17.8% あまり歓迎しない
6.4%  3.1%  1.7% 否定的

学生は半数弱が歓迎ムードで最多だが否定派も最多、企業は賛成4割程度だが
否定的な受け取りは少数、大学はどちらとも言えないが6割で圧倒的、という
結果となりました。
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▼学生コメント▼
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–【大歓迎】—————————————————

●選考に直結しないインターンはコスパが悪すぎる。インターンのためのESや
面接の対策をして、時間もお金も体力もかけてインターンに参加しているの
で、選考の一環にしてくれた方がむしろありがたい(東京大学・文系・女性)
●よりマッチングができる。学生側が悩まなくていい。相性が良ければ選んで
もらえる。学歴が関係なくなりそう(北里大学・理系・女性)
●インターンに出る意義がよりあると思うため。 企業も学生も本気で取り
組めると思うから(明治大学・文系・男性)
●面接だけで自分を表現できない人にとってはありがたいから
(長崎大学大学院・理系・男性)

–【否定的】—————————————————

●インターンシップは選考としてではなく、学生の企業理解・業務理解の場と
して設けてほしいから。またグループワーク等に慣れていない人が圧倒的に
多い夏に選考として評価されてしまうのはどうなのか、と思うから
(法政大学・文系・女性)
●対面で長期ののインターシップだと地方学生は不利になるため
(鳥取大学・理系・女性)

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▼企業コメント▼
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–【大歓迎・やや歓迎】—————————————–

●マッチング精度が向上するから(メーカー)
●学生を評価する際の判断材料が増えることが想定されるため(サービス)
●インターンシップが採用と直結していることで、より学生の本質を捉えて
採用することができる為(金融)
●当社のインターンシップはあくまで学生の就業観醸成を目的に実施するもの
である点に変わりないが、インターンシップを通じて得た学生の情報が
結果として選考に繋がることを否定するものではないため(商社)

–【あまり歓迎しない・否定的】———————————

●表向きのルールを変えても、強制力がないので、何も変わらない(メーカー)
●採用担当への負担が増えていると感じている(メーカー)
●益々、低学年からの就職活動がスタートし、学生も企業側も長期戦となり
疲弊するだけだから(サービス)
●採用ルール自体が形骸化しているため有効性が不明。5日間以上のインターン
は未実施のため。大学での多様な学びの妨げになる可能性あり(流通)

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▼大学コメント▼
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–【大歓迎・やや歓迎】—————————————–

●その方が実態に合っている。インターンシップは採用直結で良い(関東:私立)
●採用に直結することで、インターンシップに対する学生のモチベーションが
上がる可能性があるため(北海道:公立)
●発達障がい学生など、コミュニケーションに苦手意識のある学生の良さが
伝わる可能性(中部:国立)

–【あまり歓迎しない・否定的】———————————

●企業がルールを拡大解釈してしまう懸念があります(関東:私立)
●就職活動の長期化を促進する可能性があり、学業への影響や学生のモチベー
ション維持などの課題があるように思う(近畿:私立)
●5日以上のインターンシップが本件の対象となるが、1日インターンシップに
も利用される不安がある(関東:国立)
●就活の早期化を公に認めることで、大学での学業、学生生活、部活動と
いった本質的な部分への取り組み時間が制限されてしまう(関東:私立)
●インターンシップに数多く参加しようとするがあまり、学業に注力しなく
なる懸念がある(中部:国立)

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【2】新ルール下での活動時期の変化(予測)
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上記のコメントにもある通り、新ルールが適用される25卒においては、就職活動のスケジュールも大きく変化することが予想されます。実際に動く学生側、そしてそれを指導する大学側が、それぞれどのように予測しているかを比較しました。

>> 総括資料(P.28【2章】21)掲載しております。
メール下部よりご確認ください。

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Q.(学生の方は)25卒と仮定し「企業がインターンシップでの評価情報を、
採用選考に活用可能になる」際、「就職活動のスタート時期」「インターン
シップへの参加(応募)の量」はどうなると予測されますか?
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●就職活動のスタート時期
【学生】【大学】
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56.5% 40.2% かなり早まる
28.1% 44.1% やや早まる
14.1% 15.6% 変わらない
1.1%  0.0% やや遅くなる
0.2%  0.0% かなり遅くなる

●インターンシップへの参加(応募)の量
【学生】【大学】
─────────────────
47.7% 32.4% かなり増える
34.3% 55.1% やや増える
14.4% 11.9% 変わらない
3.1%  0.6% やや減る
0.6%  0.0% かなり減る

学生側・大学側を比較すると、スタート時期・量ともに、主体となる学生側が、
寄り危機感を強く持っているという結果となりました。
あくまで2年後の予測とはいえ、学生コメントを見ると、かなり早い段階から
準備を進める必要性を感じているようです。一方で、理系学生や地方学生に
ついては、少し状況も異なるようで、それぞれの環境に合わせた配慮・支援が
必要になると考えられます。

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▼学生コメント▼
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–【かなり早まる】———————————————

●8月から参加していたが、インターンシップに6月ごろから参加するように
変わるし、数も3社から10社程度に増やす(明治大学・文系・女性)
●大学3年生からなのが入学してすぐ(熊本大学大学院・理系・男性)
●大学1年生秋からインターンシップに手を出し始める 企業分析も自己分析も
する前に、とにかく大手を沢山受けるだろう(立教大学・文系・女性)
●大学3年の6月ごろから始まるものを、大学1年から意識し始め、2年では必ず
5社ほどは参加するようにする(東京女子大学・文系・女性)
●インターンシップには3年の5月から参加していたが、1年から頻度は少ない
ものの定期的に参加するようになると思う(大阪大学・文系・女性)
●大学2年から対策を始める(東洋大学・文系・男性)

–【やや遅くなる】———————————————

●大学3年生の7月に始めたものが、10月ごろになる。 少しは就活に詳しく
なったり、マナーを知ってから応募したい(琉球大学・文系・女性)
●4月頃に始めたものが7月頃になる。応募数も30社から15社程に減らす
(東京農工大学大学院・理系・女性)

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▼大学コメント▼
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–【かなり早まる】———————————————

●インターンシップの積極的な参加を案内(関東:私立)
●就職イベントの前倒し(関東:私立)
●学業がおろそかにならないように、計画性をもった就活を始動したい
(九州/沖縄:私立)
●ガイダンスなどで就職スケジュールについて説明を行う(中部:私立)
●インターンシップの必要性についての内容を今以上に詳しく細かく
伝えなければいけないと考える(中国:私立)
●インターンシップに行って満足して終わらないように、目的や動機、
その後の活かし方を明確にしていけるよう支援をしていく(関東:公立)

–【変わらない】———————————————–

●これまでも実施しているインターンシップに関するガイダンスで丁寧に
説明する(四国:国立)
●既にインターンシップの情報は採用に活用されており、実態として大きくは
変わらないと考えており、引き続きインターンシップの重要性を学生に
訴えていく(近畿:私立)
●3年次のインターンシップに向けて2年生の時期から対策を開始するよう、
低年次向けのガイダンスやセミナーを実施、キャリア相談を受け付けている
(中国:国立)

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【3】企業のインターンシップ実施・検討状況と学生の認識
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本総括調査では他にも、インターンシップに関して以下のような結果が出ております。

●【企業】すでに2割の企業が(遅くとも)25卒までにプログラム変更を検討
●【企業】新ルール対応型インターン(25卒)の予定時期は、夏6割・冬2割
●【企業】現ルールと比較して、新ルール下では1day減少・5days増加見込み
●【学生】インターンシップは選考とつながっていてほしい6割超
●【企業】23卒時点ですでにインターンシップと選考の関連が強まる
●【企業】内定者のインターン経験率は35%、採用人数100名超の企業が顕著

※参考:
【企業向け】25卒インターンプログラムの検討(時期・開催期間)
>> 総括資料(P.29【2章】23・24)掲載
【学生向け】インターンシップと選考の関連
>> 総括資料(P.24【2章】6)掲載
【企業向け】内定者のインターンシップ経験者比率(企業規模別)
>> 総括資料(P.24【2章】13・14)掲載

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いかがでしたでしょうか。
正式に参照合意が出たことで、インターンシップ時期の活動が大きく変わろうとしています。この方針の根本は、より良い採用・就職・マッチングを目的としているはずです。企業・学生それぞれの環境や立場に違いはあると思いますが、それぞれに配慮しつつ就職・進路選択環境の改善につながるよう、注意して運用・支援する必要があると言えるでしょう。

本調査の最新版(抜粋版)は以下からご確認いただけます。
https://www.careerpartners.co.jp/laboratory/report/

※全データをご希望の場合は、同HPよりご請求ください
※調査にご協力・ご回答いただきました企業様・大学様には、『新卒採用戦線総括』及び、調査の一部を掲載した『週刊東洋経済(10/31号)』を送付予定です。

その他、定点学生アンケートなどのリリースはこちらからご確認ください。
https://www.careerpartners.co.jp/laboratory/

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最後までお読みいただきましてありがとうございました。
〔ブンナビ編集長 間宮 康之〕

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