2015.10.06メールマガジン

大学キャリアセンター・インタビュー/青山学院大学 就職部長(経営学部教授)高橋 邦丸氏、進路・就職センター進路・就職部長 薮田 洋氏

明治初頭にアメリカから派遣された3人の宣教師によって創設された3つの学校を源流としている。現在では、文化やトレンドの発信地である青山にキャンパスを構え、相模原キャンパスを加えた2キャンパスで、10学部・24学科・12研究科を擁する総合大学となっている。
今回は、青山学院大学就職部長の高橋邦丸氏(経営学部教授)と進路・就職センター進路・就職部長の薮田洋氏にお話しを伺った

◆AOYAMA VISION & 青山スタンダード
青山学院は2014年に創設140周年を迎え、それを期に『AOYAMA VISION(※1)』を策定しました。スクール・モットーの「地の塩、世の光」を体現する人材として、「すべての人と社会のために未来を拓くサーバント・リーダーの育成」をビジョンに掲げ、150周年に向けた様々なアクションに取り組んでいます。

『青山スタンダード(※2)』は、すべての青学生が身につけるべき“教養と技能”を体系化し、専門的学びへと橋渡しする教養教育です。ビジョン実現のための教育システムの一つと言えるでしょう。大学4年間という時間の中で、相応しいタイミングで履修できるよう、カリキュラムが組まれています。

キャリア関連科目では、1年次の「キャリアデザイン・セミナー」から始まり、2~4年次では、「国際ビジネス」「営業学」「ビジネスコミュニケーション」など、テーマ別に多くの科目を提供しています。なかには「囲碁で養うロジカルシンキング」のように学生の興味を引き出しつつ、思考力や決断力を養う科目もあります。

◆学生主体の学びと行動
大学の学びは、教室内だけで完結するものではありません。大学という場を使い、彼らは多くの学びを得ています。SBSL(School of Business Student Leaders)の活動はその一つと言えるでしょう。

SBSLとは、経営学部生で構成された学生団体です。教員と連携しながら、オープンキャンパスや青学フェア、フレンドシップミーティング(新入生との親睦を深めるためのイベント)などの企画・運営を行っています。本学の学生は「自分たちのことは自分たちで動かしたい!」という気持ちが強いのかもしれません。今年の1年生は約3分の1が所属して、大学内における多くの活動に関わっています。

青山学院購買会青山店と協同で行った“青学パーカー”のプロモーションでは、学びとの相乗効果も感じました。青学パーカーをおしゃれに着こなした学生モデルの写真をSNSで配信したり、フラッシュモブ動画を公開したり、自分たちが考えたプロモーション活動を、自分たちで展開していったのです。マーケティング分野の知識を、リアルに反映することができた貴重な体験になったはずです。これがきっかけでカレッジパーカーの注目度が高まり、ファッションアイテムとして雑誌にも取り上げられました(※3)。

◆ニーズに合わせた就職支援
就職支援では、学生ニーズを大切に考えています。今年から1年生全員とのグループ面談をはじめました。青山キャンパスには約3,300人の学生が入学したので、相応の時間を要しましたが、それだけの手応えを得ることができました。当センターが彼らの身近な存在であることを認識してもらい、信頼を得ていれば、進路や就職で困ったときには、自らここに来てくれるでしょう。

ガイダンスやセミナーの行事等は年間で400回を越えます。年間計画として告知するため、年度スタート時にはプログラム内容を決めていますが、就職活動の進み具合などは、計画立案した通りに進むわけではありません。三ケ月毎にプログラム内容の見直しを行い、計画になかった学内合説を実施するなど、状況に応じた対応を心掛けています。

体育会学生の就職支援にも注力しています。箱根駅伝での活躍など、おかげさまでスポーツ界で活躍する学生が増えてきました。遠征や日々の練習があるので、通常のプログラムにはなかなか参加できないのが実情です。また、アスリートならではのキャリア相談もあります。彼らの事情を反映したスケジュールや支援体制を提供することで、利用学生の増加につなげています。少しは彼らの不安を軽減できているのではないでしょうか。

◆OBOGや企業との連携
数多くの支援プログラムは、進路・就職センターのメンバーだけで運営しているわけではありません。OBOG組織である校友会と連携して行っているものが数多くあります。月1回ペースで打ち合わせを行い、正式な年間行事としてプログラムを開催しています。好評なのが「しゃべり場」という交流会です。先輩後輩という身近な間柄で、気負うことなく社会人と話ができる!というコンセプトがうけています。

インターンシップでは、多くの企業からご協力をいただき、年々拡充してまいりました。改めて感謝申し上げます。各学部による単位認定インターンシップ、進路・就職センター主催のインターンシップ、他大学合同で実施しているオムニバス式インターンシップなど、学生ニーズに応えることで、その種類も増えてきました。そのため、若干のご不便をおかけする場面が出てきたようにも感じます。

今後は、本学におけるインターンシップの位置づけを明確にして、より一層の質の向上をはかるとともに、窓口の一本化など、利便性も上げていきたいと考えています。

◆サーバント・リーダーとしての青学生
青学生の特徴として思い付くのは、やはりスクールモットーである「地の塩、世の光」という言葉です。“塩”は前にでる食材ではありませんが、生きるためになくてはならないものです。また、光(=灯・ともしび)は明るさと暖かさを表しています。

ボランティア活動に熱心に取り組んでいても、それを声高に言う学生は多くありません。「当然のことをしたまで」「PRするようなことではない」と考えているのでしょう。常にセンターに立つ存在ではないかもしれませんが、朗らかで物怖じしないスマートさを身につけている。そんな学生が多いように感じます。

目立たずとも自然体で、人や社会のニーズに応じるスタンスを持ち、場を明るくポジティブにすることができる。そんな「地の塩、世の光」を具現化したサーバント・リーダー(ビジョンや目標の実現にまい進する仲間を支援するリーダー)を、これからも輩出していきたいと考えています。

※1 AOYAMA VISION
http://www.aoyamagakuin.jp/vision/aoyamavision/pdf/aoyamavision_01.pdf

※2 青山スタンダート
http://www.aoyama.ac.jp/faculty/aoyamastandard/

※3 青学パーカー
http://momogirl.jp/fashion/post-6301/

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<大学データ>
青山学院大学
http://www.aoyama.ac.jp/

○青山キャンパス
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 17号館2階
進路・就職センター
TEL:03-3400-6358
FAX:03-3409-2813

○相模原キャンパス
〒252-5258 神奈川県相模原市中央区淵野辺5-10-1
B棟1階スチューデントセンター
進路・就職課
TEL:042-759-6036
FAX:042-759-6031

<学部>
・文学部、・教育人間科学部、・経済学部、・法学部
・経営学部、・国際政治経済学部、・総合文化政策学部
・理工学部、・社会情報学部、・地球社会共生学部

<大学院>
・文学研究科、・教育人間科学研究科、・経済学研究科
・法学研究科、・経営学研究科、・国際政治経済学研究科
・総合文化政策学研究科、・理工学研究科、・社会情報学研究科

[15.10.06]
就職情報研究所 平野恵子

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