2026.10.13メールマガジン

学生の満足度低下の背景にあるもの

現在、2027年卒採用を振り返る「新卒採用戦線総括2027」(総括データ)をまとめています。
今回は、その一部を紹介しながら、学生の就職活動への満足度と、その背景について考えてみたいと思います。

◆就職活動への満足度の変化
学生は、自身の就職活動をどのように受け止めているのでしょうか。
満足度の推移を見てみましょう。10点満点で平均値を算出しています。
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25年卒 7.62点
26年卒 7.37点
27年卒 7.27点
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25年卒採用から低下が続いています。
特に25年卒から26年卒の減少幅が目立ちます。

理系学生を対象にした調査では、もう少し長い期間の変化を確認できます。
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23年卒 7.49点
24年卒 7.71点
25年卒 7.89点
26年卒 7.62点
27年卒 7.54点
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23年卒から25年卒採用までは上昇していましたが、
全体動向と同様に、それ以降は低下しています。
25年卒から26年卒の減少幅が大きいことも同じです。

では、学生は何に不満を感じているのでしょうか。
不満の内容で最も多いのは「スケジュールが不透明」(35.0%)で、
次いで「採用が早すぎる」(32.0%)という結果になっています。
就職活動の早期化だけでなく、いつ、どのように選考が進むのかが
見えにくいことが、学生の負担となっているようです。

◆採用の早期化と公式日程とのズレ
この動向の要因と考えられるのが、25年卒から適用の
「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に
当たっての基本的考え方」、いわゆる「三省合意」の改正です。

これにより一定の条件を満たすインターンシップでは、
取得した学生情報を採用選考に利用できるようになりました。

これに伴い、プレ期(広報開始3月より前の期間)のキャリア形成支援活動を
採用につなげようとする動きが活発になり、改正適用の翌年、
26年卒採用からは早期化が大きく進みました。

しかし、学生情報が採用選考に利用できるとはいえ、「3月広報活動・
6月選考開始」という政府の就活スケジュールを順守することが前提です。

公式日程と採用実態(早期選考)にズレが生じたことで、スケジュール情報の
公表を控える動きが拡大しました。こうした水面下の見えにくい採用選考の
増加が、満足度の低下を招いたと考えられます。

◆早期選考では見えにくいスケジュール
企業の調査データにも、採用選考のタイミングによる情報公開の違いが
数字で表れています。
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(早期選考)3月以降の選考
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(18.0%)42.1% 実施時期の詳細を公表している
(23.4%)28.5% 実施時期の目安のみを公表している
(19.3%)14.0% 実施予定があることのみを公表している(時期は非公開)
(34.7%) 8.4% 選考実施に関する情報を公表していない
( 4.6%) 7.0% 分からない
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インディードリクルートパートナーズリサーチセンター「就職白書2026」より

実施時期の詳細を「3月以降の選考」では42.1%の企業が公表しているのに、
「早期選考」では18.0%にとどまります。
逆に選考情報を公表していないのは「3月以降の選考」が8.4%で、
「早期選考」では34.7%でした。
公表状況の違いは明確です。「早期選考」で詳細な実施時期を開示していない
企業合計は約8割にのぼります。
不満のトップに「スケジュールが不透明」がくるのもうなずけます。

ちなみに、早期選考スケジュール情報を対外的に公表していない
理由(複数回答)の上位2つは「採用ターゲット層など、限定した対象にのみ
詳細を伝えるため」(52.5%)と、「政府が定める就職活動ルールに配慮し、
時期を明示することを避けるため」(49.8%)です。
約半数の企業が、クローズドな採用選考を行い、実態とは異なる公式日程に
配慮していることが分かります。

◆学生が見通しを持てる情報提供を
志望する企業の選考がいつ始まり、いつまで応募できるのかが分からなければ、
就活準備の見通しを立てられません。
「気付かないうちに選考が進んでいるのかも・・・」という不安によって、
学業や課外活動にマイナスの影響が生じやすくなります。
内定を得られたとしても、十分に比較・検討できたという実感がなければ、
納得のいく就職活動だったとは受け止めにくいでしょう。

29年卒採用からの日程見直しが進んでいますが、水面下の選考を進めなければ
ならない現状が改善されることを望みます。
そしてオープンな情報開示により、学生がより見通しを持って就職活動に
取り組めるようになることを願っています。
〔就職情報研究所 所長 平野 恵子〕

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