2026.10.27メールマガジン

【27卒採用市場総括】就活でのAI利用は78.3%。学生・企業・大学の意識差と活用の実態

【AIは就活・採用の「当たり前」になるのか?】

27卒の新卒採用市場を総括するにあたり、学生・企業・大学・自治体を対象にした総括セミナーを、11/27(金)に開催いたします。

今回はその調査の中から、急速に存在感を高めている「生成AI」に関する調査結果を、一部先取り公開して取り上げます。

就職活動で生成AIを利用した学生は78.3%。25卒の35.3%と比較すると、2年前間で43.0ptも増加しています。一方、就職活動でのAI活用に対しては、学生の約8割が賛成しているのに対し、企業・大学・自治体では慎重な受け止め方も見られました。学生のAI利用については判断を留保する企業が多い一方で、企業自身の採用業務へのAI導入は進んでいるという実情もあります。

「使う学生」と「評価する企業」、そして「支援する大学」。AIはそれぞれの現場にどのように浸透し、どのような課題を生んでいるのでしょうか。
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■TOPICS
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1.就活での生成AI利用が急増。27卒では約8割に
2.AIは「文章の代筆」だけではない。学生の具体的な活用方法
3.学生は約8割が賛成。一方、企業・大学・自治体は慎重な姿勢
4.企業の採用業務でもAI導入が進展。活用の中心は文章作成・業務補助
5.大学の対応も模索段階。学生からの相談と支援の実態

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1.就活での利用が急増、27卒では約8割に
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27卒学生の就職活動における生成AI利用経験は78.3%となり、
前年から8.2pt増加しました。

■就職活動における生成AIの利用状況(択一)
78.3%:利用したことがある(27卒)
70.1%:利用したことがある(26卒)
35.3%:利用したことがある(25卒)

また、日常生活や学業においても、
「なくてはならない存在になっている」31.1%、
「頻繁に利用しており、生活や学業に役立っている」47.6%となり、
合わせて78.7%が日常的な利用をうかがわせる回答となりました。

生成AIは、学生が就職活動を始めてから初めて触れるツールではなく、
すでに日常生活や学業の中でも身近な存在になっているようです。
今後は、生成AIを使う学生がいるかどうかではなく、
学生が普段からどのような用途で利用しているかを理解することも、
就職支援・採用活動において重要になることは間違いありません。

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2.「文章の代筆」だけではない、学生の具体的な活用方法
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就職活動で生成AIを利用した場面を見ると、最も多いのは
「自分で書いた自己PRの添削・構成チェック」73.1%、
次いで「自分で書いた志望動機の添削・構成チェック」62.0%となりました。

■就職活動において生成AIを使用した場面(複数選択)
※生成AIを利用したことがある学生
73.1%:自分で書いた自己PRの添削・構成チェック
62.0%:自分で書いた志望動機の添削・構成チェック
46.7%:面接想定質問の作成
40.1%:自己PRの大元を作成
39.3%:志望動機の大元を作成
38.0%:企業研究
28.9%:業界研究
25.2%:自己分析・適性把握

自己PRや志望動機をゼロから作成する用途も4割程度あるものの、それ以上に、
学生自身が作成した文章の添削や構成チェックでの利用が目立ちます。
自由記述では、実際にAIへ入力した指示文として、
次のような例が寄せられています。
・「このESを論理展開の観点で添削してください」
・「厳しく、企業の人事目線で添削して」
・「ここに書き出した学生時代の経験から強みを抽出して」
・「あなたが面接官だと思って私について深掘りして」

AIを単なる文章作成ツールではなく、添削者や模擬面接官、
自己分析の壁打ち相手として活用する様子がうかがえます。

また別途実施した27卒学生への2026年6月調査では、
ガクチカ作成に生成AIを利用した学生は86.0%となりました。

■ガクチカ作成時にAIを活用してみて、どう感じましたか?(複数選択)
※6月調査、ガクチカ作成で生成AIを利用した学生
76.7%:作成時間を短縮できた
57.0%:自分の強みや伝え方が整理できた
40.7%:ESや面接への不安が軽減された
37.2%:AIっぽい文章になってしまった
18.6%:面接で深掘りされた際に不安を感じた

AIのメリットを実感する一方で、「文章がAIっぽくなる」
「面接で深掘りされた際に不安を感じる」といった課題も確認されています。

学生自身も、AIに任せる部分と、自分の言葉で考えるべき部分とのバランスを
模索しているように感じます。

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3.学生は8割賛成の一方、企業・大学・自治体は慎重
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就職活動におけるAIツール活用の是非について、学生・企業・大学・自治体に
聞いたところ、立場によって大きな違いが見られました。

■就活におけるAIツール活用の是非(択一)
※「賛成」「どちらかと言えば賛成」の合計
79.3%:学生
49.7%:大学
38.7%:企業
16.8%:自治体

学生では約8割が肯定的である一方、
企業・大学・自治体では、肯定的な回答が半数を下回る結果となりました。

ただし、注目したいのは、必ずしも「反対」が多いわけではないという点です。

■「どちらとも言えない」と回答した割合
64.2%:自治体
54.2%:企業
47.9%:大学
14.6%:学生

企業・大学・自治体では、AIの利用に明確な賛否を示すのではなく、
判断を留保している回答が多く見られます。
自由記述でも、意見は分かれています。

学生:「最初のアイデア出しと最後の文章チェックは自分でやるべきと思うから」
大学:「AIに依存することは推奨できないが、AIを活用すること自体は賛成である」
企業:「エントリーシートで差がつかない」
自治体:「似たような内容のエントリーシートが増えているため」

AIによる効率化や情報整理のメリットは認めつつも、
本人の個性や思考力をどのように見極めるか、という点に懸念があるようです。

学生にとっては身近なツールであっても、評価する立場では、
その活用範囲や影響について慎重に判断している状況がうかがえます。

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4.採用業務でもAI導入が進展、活用の中心は文章作成・業務補助
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一方、企業自身の採用業務でも、AI導入は進んでいます。
採用業務におけるAI技術の導入状況では、
「すでに導入している」が25.0%となり、26卒の14.9%、25卒の9.1%から
増加しています。

また「導入に向けて前向きに検討中」11.4%、
「情報を収集して検討中」39.8%となっており、
導入済みと検討段階を合わせると約4分の3となります。
ただし、現時点での活用場面を見ると、採用選考そのものよりも、
文章作成や業務の補助が中心です。

■企業の採用業務における現在の生成AI活用場面(複数選択)
41.7%:候補者へのメール文・通知文の作成補助
40.4%:採用サイト・説明資料の文章作成・リライト
37.2%:採用戦略立案時のブレスト補助
17.9%:録画面接の文字起こし・要約・評価
11.5%:ESの評価・スクリーニング
9.0%:AI面接(自動質問・自動評価)
23.7%:現時点では活用していない

AI面接やES評価など、採否判断に関わる領域での活用は、現状では限定的です。
また、採用業務へのAI技術導入に向けた課題では、
以下の回答が上位となりました。

■採用業務におけるAI技術導入に向けた課題(複数選択)
36.9%:選考結果に不安がある・信用できない
35.2%:大学・学生の評判が気になる
30.1%:導入コストが高い
30.1%:業者選定が難しい

企業にとってAIは、すでに採用業務を効率化するツールとなりつつある一方で、
応募者の評価や選考判断にどこまで活用するかは、
引き続き慎重に検討されているようです。

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5.大学の対応も模索段階、学生からの相談と支援の実態
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最後に、大学側の状況も見てみましょう。

生成AIの利用に関する学生からの相談については、
「頻繁にある」4.4%、「たまにある」53.0%となり、合わせて57.4%の大学が
何らかの相談を受けていると回答しました。

一方、大学側の対応状況を見ると、積極的な活用指導を行っている大学は
まだ少数です。

■生成AI利用に関する大学側の対応状況(択一)
39.8%:学生から相談があれば対応している
35.9%:生成AIの活用に関する情報提供や注意喚起を行っている
5.5%:生成AIの活用方法について積極的に指導・支援している
5.5%:特に対応はしていない
3.3%:学生の利用実態を把握していない

また、大学が必要だと考える対応では、「リスクや注意点の啓発」78.5%、
「活用方法の指導」64.6%が上位となりました。

■大学が必要だと考える生成AI利用への対応(複数選択)
78.5%:リスクや注意点の啓発
64.6%:活用方法の指導
39.2%:企業側の考え方に関する情報提供
38.7%:利用ルールやガイドラインの整備
34.8%:キャリアセンター職員向け研修

大学側も、AI利用によるメリットとリスクの双方を認識しているようです。

ただし、学生の利用が先行する中で、大学がどこまで積極的に活用方法を
指導するべきか、どのような利用ルールを示すべきかについては、
まだ模索段階にあるように感じます。

大学が必要と考える対応として「企業側の考え方に関する情報提供」が
約4割にのぼった点も興味深いところです。
学生がAIをどう使うかという問題は、大学だけで完結するものではありません。

採用する企業がAI利用をどう捉えているのか、どのような利用を評価し、
どのような点を懸念しているのか。
こうした情報も、学生への支援を考えるうえで
重要になっていくのではないでしょうか。

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【まとめ】
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今回の調査を通じて感じたのは、生成AIが就職活動・採用活動の双方に急速に広がる一方で、その受け止め方や活用方法は立場によって異なるということです。

学生はAIを使って、自己PRや志望動機を整え、企業研究や面接対策を進めています。企業は、採用業務にAIを導入し始めながらも、学生のESや選考評価への影響については慎重に捉えています。大学も、学生からの相談に対応しながら、活用方法の指導とリスクへの注意喚起をどう両立するかを模索しています。

特に今回の結果で印象的だったのは、学生を含む各立場の自由記述に、「AIをどう使うかが大切」という趣旨の意見が共通して見られたことです。

生成AIを使ったかどうかだけでは、学生の能力も、就職活動への取り組み方も判断できません。AIを活用することで何が便利になり、反対にどのような課題が生じているのか。学生の活用実態と、企業・大学・自治体それぞれの考え方を知ることが、これからの就職支援・採用活動を考える一つの手掛かりになるのではないでしょうか。
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■出典元(就職情報研究所)
「27卒 新卒採用戦線総括」学生・企業・大学・自治体調査
参考:「【2027卒】学生アンケート調査【2026年6月版】」
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最後までお読みいただきありがとうございました。〔ブンナビ編集部/27卒 新卒採用戦線総括〕

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