2026.09.15メールマガジン

【キャリアセンター長・インタビュー】立教大学 キャリアセンター 副部長 阿部 通明 氏

1874(明治7)年の創立以来、一貫して「リベラルアーツ教育」を掲げている。

その源流にあるのは、古代ギリシャ・ローマ時代の「自由人として生きるための学問」という考え方だ。既存の価値観に縛られることなく、自ら問い、考え、判断できる自由を養う。こうした教育の在り方は「自由の学府」という言葉に表れている。

今回は、立教大学キャリアセンター・副部長の阿部 通明氏にお話を伺った。

▼4年間を3つの期間に分けたキャリア形成支援
本学では、学生が自らの意志で将来を見据え、主体的にキャリアを切り拓いていく力を大切にしています。それは、大学でのさまざまな学びや経験を基盤として築かれるものです。4年間を「導入期」「形成期」「完成期」という3つの期間に分け、成長段階に合わせたサポートをおこなっています。

1年生の春学期は「導入期」です。
大学という新しい環境になじみ、学生生活の土台をつくる期間と言えます。新しい友人をつくり、大学の学修スタイルに慣れながら、課外活動などにも興味を広げてほしいですね。充実したキャンパスライフのスタートとして大切な時期となります。

1年生の秋学期から2年生の秋学期までは「形成期」です。
大学生活にも慣れ、徐々に自分の世界を広げていく時期になります。さまざまな形で実社会と接点を持ち、視野を広げることで、自分が何に興味を持ち、どのようなことに関心があるのかを見つけていきます。

そして、3年生の春学期以降が「完成期」です。
卒業後の進路を具体的に考える段階に入り、インターンシップ等への参加を経て、就職活動へと進んでいきます。キャリアセンターの支援も、このタイミングからは就職活動を念頭に置いたプログラムへと移行していきます。

▼社会との接点を通して視野を広げる
「形成期」のプログラムの一つに、学部1、2年生限定の「スタディツアー」(※1)があります。学業を阻害しないよう、11月の秋季臨時休業期間を利用して、企業・団体を訪問する体験型プログラムです。

受け入れが初めての企業には、キャリアセンター職員が同行しますが、基本的には学生たちだけで対応します。自力で企業を訪ね、社会人とコミュニケーションをとることも貴重な経験になるはずです。

もう一つ、学部2年生を対象に実施しているのが、非単位認定の就業体験型プログラム「Rikkyo My Career Gate」(※2)です。単に仕事体験をして終わるのではなく、自らの経験を振り返り、自身が大切にする価値観や将来の方向性を考えていきます。それが更なる学修や今後の学生生活につながることを目指しています。

全学年を対象とした「RIKKYO卒業生訪問会」(※3)も、“キャリアの立教”を象徴するプログラムです。年5回開催し、計100名ほどの卒業生に協力してもらっていますが、採用担当者は原則参加NGとしています。また、質問内容にNGはありません。採用選考とは切り離した場にすることで、給与や福利厚生、職場の人間関係など、卒業生のリアルな声を聞くことができます。

「業界企業研究SPECIAL TALK」(※4)では、学生の注目度が高い業界から複数の企業を招き、テーマ別にインタビュー形式で話を聞くことができます。各社の話を聞き比べることで、個々の企業説明では気付きにくい、業界全体の構造や事業の広がりが見えてきます。これまで目を向けていなかった分野に、視野を広げるきっかけにもなっています。

▼学部と連携したキャリア支援
本学では、キャリアセンターの支援プログラムに加え、学部の特性に応じたキャリア支援も展開しています。その中心となるのが「学部キャリアサポーター」です。学部の教員やキャリアセンターと連携しながら、正課・正課外の双方で、学部独自のガイダンスやワークショップなどを実施しています。

キャリアセンターが事務局となり、年4回「キャリアサポーター連絡会」を開催することで、情報を共有し、効果的な事例を他学部へ横展開できるようになっています。また、キャリアセンター職員には担当学部があり、それぞれのキャリアサポーターと連携して、学部が実現したい取り組みを支援できる体制を整えています。

学生は、学部の正課キャリア教育科目、正課外プログラム、キャリアセンターの支援プログラムなど、さまざまな入口からキャリア・就職支援にアクセスすることが可能です。

将来について考え始めるタイミングやきっかけは、学生によって異なります。それぞれが自分のタイミングで動き出せるよう、複数の接点を用意することを意識しています。

▼大学だからこそできる就職支援
学生の就職活動は多様化しています。例えば外資系企業を志望する学生のなかには、2年生の秋学期ごろから動き始めるケースもあります。昨年度は、こうした学生に向けて「外資就活Kickoff Seminar」を2月に実施しました。本学では第1回就職ガイダンスを3月に実施しているので、それほど早いわけではありませんが、学生ニーズに応じた支援も心掛けています。

一方で、学外の情報サービス会社などにより、数多くの支援プログラムが提供されています。私たちは、大学のキャリアセンターだからできる支援、やるべき支援が何なのかを考える必要があるでしょう。例えば、就職活動の動向をみながら「就活リスタートガイダンス」を実施することも、その一つです。必要なときに、必要な支援につながれる体制を目指しています。

就職活動が早期化・長期化したことで、支援プログラムは増えつづけ、年間約500回にも達していました。しかし、近年は適正化を進め、現在は約220回となっています。

キャリア・就職支援を4年間の取り組みとしてとらえ、私たちキャリアセンターが担うべきことは何なのかを考え、必要な取り組みにより注力していきたいですね。

▼「学生自らが育つ」ことを支える
私たちは、答えを教えるのではなく、学生自身の気付きを促すことを大切にしています。そのため、過剰に面倒見を良くすることがないよう意識しています。

例えば、個別のキャリア相談では、担当制や指名制をとっていません。学生は、相談するたびに、現在の状況や悩みを自分の言葉で説明する必要が生じます。これが自身の考えを整理し、気付きをうながすきっかけにつながります。

就職活動を支援することはもちろん大切ですが、学生自身の成長につなげていくことを重視しています。これは「学生助育(じょいく)」という考え方につながります。

「Student Personnel Services(SPS)」の訳語で、学生を助けて育てるのではなく、「自らが育つことを助ける」という意味です。

支援者はできるだけ手を出さず、学生の行動を見守り、一人の大人として、その意思を尊重する。こうした学生助育を心掛けています。また、失敗を避けるために挑戦することを諦め、自分で自分の可能性を狭めてしまう学生には「限界を決めないでほしい」というメッセージを届けたいですね。

「自由の学府」である本学からは、社会に大きな影響を与える卒業生が数多く輩出されています。それだけ可能性のある学生たちです。安心で安全な場所(コンフォートゾーン)にとどまることなく、「もっと自由にやりなよ」と声をかけたいですね。

一人ひとりが自由に自らの可能性を広げていけるよう、そのための応援をしていきたいと考えています。
〔就職情報研究所 所長 平野 恵子〕

※1
スタディツアー
https://www.rikkyo.ac.jp/closeup/career/2025/mknpps000003e0yr.html

※2
Rikkyo My Career Gate
https://www.rikkyo.ac.jp/closeup/career/2025/mknpps000003d4i2.html

※3
RIKKYO卒業生訪問会
https://www.rikkyo.ac.jp/closeup/career/2026/mknpps000004kl0p.html

※4
業界企業研究SPECIAL TALK
https://www.rikkyo.ac.jp/closeup/career/2026/mknpps000004qmr5.html

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<大学データ>
●立教大学
http://www.rikkyo.ac.jp/

キャリアセンター
(池袋キャンパス)
〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
6号館1階
TEL:03-3985-2433

(新座キャンパス)
〒352-8558 埼玉県新座市北野1-2-26
1号館1階
TEL:048-471-6714

<学部>
文学部、異文化コミュニケーション学部、経済学部、経営学部、
理学部、環境学部、社会学部、法学部、観光学部、
コミュニティ福祉学部、現代心理学部、スポーツウエルネス学部、
グローバルリベラルアーツプログラム

<大学院>
キリスト教学研究科、文学研究科、異文化コミュニケーション研究科、
経済学研究科、経営学研究科、理学研究科、社会学研究科、
法学研究科、観光学研究科、コミュニティ福祉学研究科、
現代心理学研究科、スポーツウエルネス学研究科、
ビジネスデザイン研究科、社会デザイン研究科、人工知能科学研究科

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