2024.03.19メールマガジン

【キャリアセンター長・インタビュー】大妻女子大学キャリア教育センター所長屋敷 和子氏/就職支援センター部長小川 雅之氏

創立者の大妻コタカ氏は1908(明治41)年に24歳で私塾を開設し、1970(昭和45)年に85歳で亡くなるまで、その生涯を女子教育に捧げた。設立時から「自ら学ぶ」こと、「社会に貢献できる力を身につける」こと、「その力を広く世の中で発揮していく」ことが「女性の自立」につながると考え、教育理念の柱に据えている。

大妻女子大学キャリア教育センター所長の屋敷 和子氏(以下、屋敷氏)と、就職支援センター部長の小川 雅之氏(以下、小川氏)に今回はお話を伺った。

▼創立者の教えの継承
(屋敷氏)本学は「学び働き続ける女性」の育成を大切にしています。学問を修めて、教養と専門性を身につけ、社会に貢献すること。それだけでなく「思いやりの精神」「感謝のこころ」といった社会生活をおくる上で必要な礼節も身につけ、実際に社会で活かせる実学を大事にしています。

創立者である大妻コタカの教えの1つに「らしくあれ」という言葉があります。いつも変わらぬ自分らしい個性を自らが養い育て、与えられた社会的役割や場に応じて「らしく」振る舞えるようになること。芯を持ちつつ柔軟でいられる女性像を表しています。他にも大妻コタカは多くの言葉を残しており、これらが本学の通底した教えとなり、校風を醸成しているように思います。

(小川氏)校訓の「恥を知れ」(※1)も大妻コタカの言葉です。これは他人に対して言うのではなく、自分自身に向けて使うものです。「人に見られたり、聞かれて恥ずかしいようなことをしたかどうかを自分で戒めることである」と、自らを振り返る大切さを伝えています。

全学生が持っている校章バッジの裏には、この「恥を知れ」という言葉が刻まれています。以前は、就職活動時に身につける習慣がありました。最近は見かけることが少なくなりましたが、もし「円に糸巻」に「大學」の文字が入った校章(※1)を見かけたら、「恥を知れのバッジだね」と声をかけてあげてください。

▼時代に合わせた自立自在の女子教育
(屋敷氏)時代を経ても変わらぬ教えがある一方で、社会の変化に適応した新しい学びもスタートしています。2023年度から新設された3つの全学共通科目(※2)では、いま起きている社会課題を、自分事として捉える能力の醸成を目指しています。

<新設された全学共通科目>
○データサイエンス・AI概論
○SDGsと現代社会
○リーダーシップ開発

また2025(令和7)年度には「データサイエンス学部」を開設予定です(※3)。身の回りにあるデータを分析した上で、ビジネスに応用する力を身につけるため、統計学やITスキルだけでなく、経済学や経営学、企業と協働したPBL(Project Based Learning)型の授業など、文理融合で学問を修めることができます。

(小川氏)キャリア教育では「正課」と「正課外」のプログラムがあります。正課では学年別に「キャリアデザイン1・2・3」が開設されています。また「キャリア・ディベロップメント・プログラム1・2」では学部横断で5~6名のチーム編成をして、企業や自治体から提示された課題の解決策を検討していきます。お互いの持ち味を活かした発表会は、毎年大いに盛り上がります。

「大妻マネジメントアカデミー」(※4)は、ビジネスの世界で役立つ知識やスキルを総合的に習得することを目的とした正課外の講座です。受講料は無料で、営業の楽しさとコミュニケーション能力を身につける「営業楽部」、自己の強みや能力を可視化する「資格取得・スキル育成コース」、人生の選択肢と成長余地を拡大する「キャリアエンパワーメントコース」という3体系で構成され、本学の教員に加えて各分野の第一線で活躍する外部講師の方々が担当しています。他では見ることができないような面白い講座が数多くあり、オンラインでも受講できます。

(屋敷氏)正課と正課外を統括的に取りまとめているのが、私が所長を務めるキャリア教育センター(※5)です。昨今、一般職という仕事は大きく減少し、女性の働き方は変化しています。これからの社会に適応していくには、新しいビジネスや仕事に目を向ける必要があるでしょう。学生の視野を広げるような取り組みが、これまで以上に必要になると考えています。

▼お互いの距離が近い支援
(屋敷氏)本学の特徴のひとつに、学生と教職員の距離が近いことがあげられます。クラス指導主任制度があり、学生生活におけるさまざまな問題や相談に応じていますし、決められた時間帯に教員が研究室に待機して学生対応するオフィスアワー制度を徹底しているので、学科・専攻以外の教員を訪ねることも可能です。教員が身近な存在なので、授業で分からないことがあれば、自分から質問に来る学生も珍しくありません。

(小川氏)キャリア・就職支援においても、身近な支援者であることを大切にしています。学内企業説明会の前には、参加企業のポイントとなる情報(特徴、募集職種、勤務地、OGの有無など)を伝えているのですが、これにより企業理解が格段に進み、就職活動の視野が広がります。業界や企業情報を日々ブラッシュアップするなど、職員の地道な努力と丁寧な対応で、学生と企業がよりよく出会ってもらうための支援が成り立っています。

おかげさまで、就職イベントや講座などへの参加率は高いと言えます。先輩からの「参加した方がいいよ」という口コミもありますが、それだけでなく、学生の立場にたった告知が功を奏しているのかもしれません。参加すると何が得られて、どんなことに役立つのか、学生視点でメリットを伝えたり、アルバイトのシフトを入れる前を意識して1ヶ月以上前から告知したり、小さな工夫を積み重ねています。

▼女性の長期的なキャリア形成
(小川氏)本学の学生は、真面目で愛嬌があると評していただくことが少なくありません。説明会などでは、話を聞く時のリアクションができていて話しやすいという声もいただきます。学生生活のなかで、社会に通用するコミュニケーション能力が培われているのかもしれません。

(屋敷氏)今後は、もう少しアクティブに社会と関わる気持ちを醸成していきたいと考えています。「自分に総合職はちょっと・・・」と尻込みする学生には、少しだけ背中を押してあげるような支援も必要でしょう。事務職であっても企画や調整ごとまでできる人材を目指さなければ、女性のキャリアは先細りになりがちです。就職だけを考えるのではなく、その後のキャリア形成も視野に入れて、長期的に「学び働き続ける女性」を社会に輩出できるよう、今後も尽力してまいります。
〔就職情報研究所所長平野恵子〕

※1
恥を知れ・大学校章

校訓・校章・校歌

※2
全学共通科目に3科目を新設
https://www.otsuma.ac.jp/change/

※3
データサイエンス学部
https://www.otsuma.ac.jp/datascience-special/

※4
大妻マネジメントアカデミー

大妻マネジメントアカデミー(OMA)

※5
キャリア教育センター
https://www.cec.otsuma.ac.jp/

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<大学データ>
大妻女子大学
○千代田キャンパス
〒102-8357東京都千代田区三番町12番地
○多摩キャンパス
〒206-8540東京都多摩市唐木田2丁目7番地1

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<学部・短大>
(千代田キャンパス)
家政学部、文学部、社会情報学部、比較文化学部、短期大学部
(多摩キャンパス)
人間関係学部

<大学院>
人間文化研究科
人間生活科学専攻、言語文化学専攻、現代社会研究専攻、臨床心理学専攻

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