2024.01.23メールマガジン

【キャリアセンター長・インタビュー】創価大学 キャリアセンター 部長 工藤 映 氏

価値の創造を意味する「創価」。
その価値の中心は生命であり、「創造的人間」の育成にこそ眼目がある。こうした「創価教育」の理念を実現するため、1971年に創立され「人間教育の最高学府たれ」「新しき大文化建設の揺籃たれ」「人類の平和を守るフォートレス(要塞)たれ」という建学の精神を掲げている。箱根駅伝では5年連続のシード権獲得など、安定した強さ発揮する常連校としても知られる。

今回は、創価大学キャリアセンター 部長の工藤 映氏にお話を伺った。

▼全方位からの連携サポート
本学キャリアセンターのコンセプトは「大学生活すべてがキャリアデザイン」です。また、学生にとっての「社会と学校の橋渡し役」であり、「進路決定の大応援団」というミッションを掲げています。私たちが実施するキャリア支援は総称として「F3プログラム」と呼ばれ、学生が自分の未来を(Self-Future)、自分で切り拓く力をつけ(Self-Frontier)、自身の基盤を築く(Self-Foundation)ことを目的にしています。

「F3プログラム」の中心的な役割を担っているのはキャリアセンターですが、私たちだけで完結できるわけではありません。大学生活を全方位から支援する連携サポートがあって、初めて実現できると言えるでしょう。

連携サポートの1つに「授業」があります。就職部からキャリアセンターになった2004年より「キャリア教育科目」の立ち上げの準備をはじめ、キャリアセンター中心にカリキュラムを考えました。現在では1~4年次までをトータルにデザインした授業が設けられ、私たち職員も参画して運営しています。

キャリアセンター職員が授業に関わるメリットは多々あります。学生から身近な存在として認識されることもそうですし、本学のキャリア支援が授業を軸にして学生に提供できる点も大きいでしょう。昨今の就職活動は早期化しているので、タイミングを逃さずイベント情報などを届けられる体制があることは重要です。学生とのつながりが確保できる「授業」の存在は大きいと考えます。

▼ピアサポートによる先輩から後輩への支援
「F3プログラム」において、進路が決まった学生との連携は、大きな意味を持っています。「キャリアサポートスタッフ(以下、CSS)」と「リクルートサポートスタッフ(以下、RSS)」という2つのピアサポート(※1)があり、前者は1~2年生のキャリアデザインを、後者が3年生からの就職活動を支援しています。

CSSは進路決定した大学4年生・院2年生、約40名で構成されています。具体的な活動としては、1年次対象の授業「キャリアデザイン基礎」のサポートや個別のキャリア面談があります。キャリア面談は1on1でおこなわれ、履修学生の相談にのりながら、大学生活のアドバイスやキャリア選択の考え方などを伝えています。また、卒業生懇談会「Design Your Dreams」(※2)、ビジネスコンテスト「SHINE」(※3)の企画・運営もCSSがおこないます。

RSSは民間企業から内定をもらった4年生・院2年生、約70名で構成されています。後輩の就職活動を全面的に支援するため、各種イベントの企画・運営だけでなく、エントリーシートや面接などの具体的アドバイスもおこないます。

また民間企業に就職を志望する学生のほとんどが履修している3年次対象の授業「キャリアビジョン1」のサポートや履修学生への1 on 1の個人面談もRSSが担います。約800名の学生が複数のクラスに分かれて実施する大規模な授業ですが、RSSメンバーによって、一人ひとりに寄り添う支援が実現できています。

いまの学生は、授業やクラブ活動、アルバイトなど、忙しい大学生活を過ごしています。キャリアセンターからの情報発信だけでは、なかなか就職活動に必要な情報を届けきれないのが実情です。だからこそ、授業を中心にピアサポートという先輩後輩のつながりが大きな効果を発揮します。

▼卒業生による連携サポート
ピアサポートのつながりは、卒業生になってからも活きています。低学年向けの「キャリア開発フォーラム」「ワールドビジネスフォーラム」という授業では、本学の卒業生を講師として招き、社会の様々な場所で働く様子や、自身の大学生活をリアルに語ってもらいます。

同じ大学の先輩社会人が歩んだキャリアや現在の仕事を知ることで、視野が広がり、学生は多様な働き方を理解していきます。自身の未来もイメージしやすくなり、そのための大学生活を考えやすくしてくれます。卒業生たちの存在が、在校生のキャリア探索に大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

就職イベント「就活フェスタ」(※4)では、模擬面接やグループディスカッションのフィードバックなど、実践的なアドバイスも卒業生が対応しています。上の世代から受けた支援は、下の世代へと返していく。こうした校風は一朝一夕で築けるものではなく、本学の伝統として受け継がれています。

企業との連携も重要です。キャリア形成支援活動のタイプ2(キャリア教育)に該当するプログラムを実施していますが、5日間以上の就業体験に協力いただける企業がなければ成り立ちません。多くの学生が参加できるよう、対応可能な企業の皆さまには、ご協力いただけると幸いです(※5)。

▼真面目で人のために尽くせる人材
世界67カ国・地域、255大学と学術交流協定を締結しているため、本学の学生が留学するだけでなく、海外からの留学生も多く受け入れ、キャンパス内の国際交流はとても活発です。希望すれば「国際学生寮」で共同生活を送り、英語をはじめ、様々な言語で語り合うなど、まるで留学しているような環境を得ることもできます。

2014年に開設した国際教養学部は、学部授業をすべて英語でおこない、1セメスター(4~5カ月)の海外留学を実施するなど、本格的なグローバル教育を実践しています。ある学生は「国際教養学部の授業の方がハードだったので、留学中は楽だった」と言うほど、学問を通して鍛えられます。卒業時には相応の実力をつけているでしょう。

本学の学生は、真面目で人のために尽くす気持ちが強いと言えます。そのために努力し、がんばることができるのも強みでしょう。一方で、慎ましやかすぎて、自分を出せないケースも目立ちます。先ほどの国際教養学部の学生も、これだけの努力ができるのに「勉強しかやってこなかった。ガクチカのエピソードが見つからない」と悩んでいました。自分の強みをしっかり自覚できる支援も必要でしょう。

ここ数年、就職実績の向上に力を入れていましたが、コロナ禍でも就職率を落とすことなく、98.1%(2022年度実績)という数字を維持できるようになりました。就職先の幅も広がり、一定の成果は出せたと感じています。

今後は、キャリア選択の質を大切にしたいですね。自信を持って紹介できる企業を見極め、学生たちの活躍の場を広げていきたいと考えています。
〔就職情報研究所 所長 平野 恵子〕

※1
2つのピアサポート(CSS、RSS)
https://www.soka.ac.jp/career/peer_support/

※2
卒業生懇談会「Design Your Dreams」
https://www.soka.ac.jp/career/career_events/dyd/

※3
ビジネスコンテスト「SHINE」
https://www.soka.ac.jp/_tag/2023/03/8125/

※4
就活フェスタ
https://www.soka.ac.jp/career/news_career/2023/02/8063/

※5
インターンシップ受け入れのお願い
https://www.soka.ac.jp/career/for_companies/internship

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<大学データ>
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<学部>
経済学部、経営学部、法学部、文学部、教育学部、
国際教養学部、理工学部、看護学部

<大学院>
経済学研究科、法学研究科、文学研究科、教育学研究科、
国際平和学研究科、理工学研究科

<専門職大学院>
法科大学院、教職大学院
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