2026.01.27メールマガジン

【キャリアセンター長・インタビュー】-共立女子大学・共立女子短期大学 キャリアセンター グループリーダー 野田 豊樹 氏

大学を取り巻く環境は、少子化などにより年々厳しさを増している。
とりわけ女子大学は募集停止や共学化といった報道が続き、話題になることが多い。そのなかで、女子大初となるビジネス学部を新設(2020年4月)するなど、いち早く女子学生のニーズを反映した取り組みを進めてきた。

家政学部の再編によって新たに児童学部を開設(2026年4月)することが決定しており、同時に全学的なキャリア形成支援体制の充実もはかっている。

今回は共立女子大学・共立女子短期大学、キャリアセンター・グループリーダーの野田 豊樹 氏にお話しを伺った。

▼「共立キャリア・ビジョン」「共立キャリア・ポリシー」を策定
本学は1886(明治19)年に開学した「共立女子職業学校」を母体としています。当時、女性に求められていたのは、良妻賢母としての教養を身に付けることでしたが、本学はそれだけでなく、職業教育の実践も大切にしてきました。女性の実学教育のパイオニア的存在だったと言えるでしょう。

「女性の自立と自活」を建学の精神として、多くの女性の社会進出を支えてきました。今年(2026年)は学園創立140周年となりますが、教育指針に「リーダーシップの共立(R) (商標登録を示すマルアール、以下略)」(※1)を掲げ、さらに先を見据えた「ビジョン2032」(※2)が動きはじめています。

さまざまな取り組みに着手していますが、そのなかの1つに「キャリア形成支援の充実」があります。

就職にとどまらず、キャリア形成支援という役割に拡張するため、2020年9月に「就職進路課」を「キャリア支援グループ」へと名称変更しました。また、2025年には「キャリアセンター」を新設し、キャリア教育と進路支援を連携させつつ、教職協働で推進する体制を整えています。

本学は規模こそ大きくありませんが、「文芸」「国際」「看護」「建築・デザイン」など、幅広い学問分野を擁する総合大学です。学部・学科によって専門分野や教育目的が異なることから、重視する価値観や大学内で担う役割にも違いがあります。

このような多様性をふまえつつ、全学的な取り組みを進めていくなかで、「本学として目指すキャリア形成支援とは何か」を共有できる“拠りどころ”が必要になりました。

こうした背景によって策定されたのが「共立キャリア・ビジョン」「共立キャリア・ポリシー」(※3)です。

▼「共立リーダーシップ(R)」の実現に向けたキャリア教育の体系化
本学の「キャリア・ビジョン」には、「共立リーダーシップ(R)」(※1)という言葉が記されています。
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<キャリア・ビジョン>
「共立リーダーシップ(R)」を発揮し、自らの意志でキャリアを紡ぎ続けることができる、自立した人材を育成する
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「みずからを恃(たの)み『自立』し、『友愛』により他者と協働して目標達成を目指す力」を、私たちは「共立リーダーシップ(R)」と定め、キャリア教育においても重要な要素と位置付けています。

ここで言う“リーダーシップ”はトップダウン型ではなく、相互支援型によるものです。他者と協働し、相互に支え合いながら目標達成を目指す姿勢を大切にしています。

「共立リーダーシップ(R)」を育成するための学びとして、全学共通のリーダーシップ教育科目である「課題解決のためのリーダーシップ入門(必修)」や「リーダーシップ開発演習1、2」、「ファシリテーション入門」等を展開しています。理論と実践の両面から学びを深めていくスタイルで、社会課題にチームで取り組みながら、自分がチーム内でどんな役割を担い、どんな貢献ができるのかを自身で見つけていくことができます。

大学の学びを通して社会を知り、自分を知る。その積み重ねが、将来の見通しを立てることにつながると考えています。

それを低学年から意識してもらうことをねらいとして、『キャリアから考える教養教育科目の選び方』というガイドブックを作成しました。これから履修しようとしている教養教育科目とキャリア形成とのつながりをイメージしやすくするため、教養教育科目を「ベースキャリア教育」と「ワークキャリア教育」という二つの視点で関連度を整理し、新入生ガイダンスで配布することや、全学年が都度確認できるよう学内ポータルサイトのリンク集に掲載しています。

「ベースキャリア教育」は豊かな人間性を育むための学びで、基礎的な学修や経験の積み重ねを重視しています。「ワークキャリア教育」は仕事に役立つ知識・技能を学び、身に付けることに重点を置いています。科目毎に関連性を★の数で示し、履修モデルを提示することで、低学年からキャリア形成に対する意識を醸成することを狙っています。

▼教職協働による重層的な支援体制
本学は設立経緯から見ても、学生のキャリア形成を育むことを重視してきた大学と言えるでしょう。そのため、教職協働で取り組みやすい環境が整っているかもしれません。担任制度により年1回以上の学生面談を教員が実施していますが、このとき『キャリアデザインシート』を用いて話をします。

この『キャリアデザインシート』は、これまでの自分を振り返り、これからの目標を学生自身が書くものです。これをもとに担任との面談を行い、自己理解を促し、今後の大学生活や将来の進路について相談していきます。

内容は学内システムで共有されるので、必要に応じて担任とキャリアセンターが連携し、相互に協力できる体制を構築しています。学生と関わるすべての教職員によって、重層的な支援を目指しています。

短期大学の場合、卒業まで2年間という限られた時間しかありません。よりきめ細やかな支援が求められるため、教員との密な連携が不可欠です。大学と同じく教員との距離が近いため、よりスピーディーに連携することで学生一人ひとりに直接メッセージを届けることが可能です。時期に応じた情報を提供することで、円滑なキャリア決定ができるよう心掛けています。

また、キャリア科目の授業やゼミナール内で、キャリアセンターのメンバーが話をする機会を設けるなど、柔軟に連携しながら支援を行っています。ありがたいことに、特に短期大学への求人は堅調です。社会からのニーズに応えていけるよう、これからも教職協働の支援を実施していきたいと思います。

▼さらに発展させていくキャリア形成支援
全学的なキャリア教育と進路支援の接続を進めるための体制は整いつつありますが、まだまだやるべきことは残っています。今後はさらに改善し、磨き上げていく段階となります。

前述したガイドブック『キャリアから考える教養教育科目の選び方』も、改善の余地はまだ多くあります。より分かりやすく、使いやすいものにするため、教員との調整も必要でしょう。学生が自らの将来を考えながら履修科目を選べるツールにしていきたいと考えています。

『キャリアデザインシート』も来年度から刷新予定です。これまでの面談は、質問内容を教員に委ねる部分が大きかったのですが、「共立リーダーシップ」や「社会人基礎力チェック」(PROG)を反映した質問項目に整理し、その後の支援にも活用しやすいものにします。

年次ごとの質問が統一化されることで、経年変化も見やすくなるでしょう。そのことによって、キャリア形成支援プロセスにおける成果分析にも活用できるはずです。

学生のキャリア形成に寄与する取り組みは正課プログラムだけではなく、キャンパス内のあらゆるところに存在しますが、その重要性に気付いていない学生が多いです。各正課外活動の担当部署から集約した情報を一覧にして、『正課外活用術』として学生に提供しています。

「社会人基礎力のどの要素を育むことができるか」という情報と、行動を発揮した学生のインタビューを載せていますが、さらに内容を充実させていきたいです。

正課も正課外も垣根なく、「共立キャリア・ビジョン」「共立キャリア・ポリシー」という指標をもとに、多くの機会提供を行っていきたいと考えています。まだ道半ばです。学生一人ひとりのキャリア選択をより良いものにするため、それぞれの取り組みを磨き上げながら、本学ならではのキャリア教育と進路支援のあるべき姿をシンプルにわかりやすく示していきたいと考えています。

※1
リーダーシップの共立(R)
(2024年11月「リーダーシップの共立(R)」「共立リーダーシップ(R)」は
商標登録済)
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/leadership/

※2
ビジョン2032
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/about/vision/2032/

※3
「共立キャリア・ビジョン」「共立キャリア・ポリシー」
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/career/vision/

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<大学データ>
●共立女子大学・共立女子短期大学
(本館)〒101-8437 東京都千代田区一ツ橋2-2-1
Tel:03-3237-2404(総務企画課)
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/

キャリアセンター(本館2階)
Tel:03-3237-2525
FAX:03-3237-2672
E-mail: career.gr@kyoritsu-wu.ac.jp

[学部]
〇家政学部
被服学科、食物栄養学科、
*建築・デザイン学科(2023年度以降は建築・デザイン学部へ移行ずみ)
※児童学科(2026年度以降は児童学部へ移行)
〇文芸学部 文芸学科
〇国際学部 国際学科
〇看護学部 看護学科
〇ビジネス学部 ビジネス学科
〇建築・デザイン学部 建築・デザイン学科*
※2026年4月開設
〇児童学部 児童学科

[短大]
〇生活科学科
ITメディアコース、生活デザインコース
〇文科
日本文化・表現コース、グローバル・コミュニケーションコース、
心理学コース

[大学院]
家政学研究科、文芸学研究科、国際学研究科、看護学研究科

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