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2020.10.13 ポストコロナ時代の採用広報は企業のホームページが基本

21採用では、コロナ汚染によって新卒の採用環境や採用活動が大きく変わった。その変化とは、採用活動の全面オンライン化によって合同説明会や企業セミナーが制約されたり、面接が対面することなく実施され、内定出しが行われたり、オンラインインターンシップが登場したりしたことだった。

そうした変化の中で、採用広報活動にも新たな動きが表れてきた。多くの学生が就職ナビや企業のホームページ(HP)の情報に注目するようになったことだ。これまで学生の就活は、就職ナビやリアルな企業説明会で志望企業を選び、若手社員や人事担当者による熱っぽい説明を受けながら企業HPと先輩やSNSによるクチコミ情報を参考にしながら就職先を決めていた。しかし、今年は、コロナの影響でクチコミ情報に接する機会も少なく、志望先企業との面接や質問会などリアルな就職イベントが激減したことから多くの学生は、まずは、就職ナビに登録、案内されたオンライン会社説明会に参加、そのままホームページの中にある企業情報を深堀することで、在宅就活することになった。

この学生たちの就活の変化は、そのまま今後のウイズコロナ時代の就活基本形として継続し、企業HPは、最有力の情報源として学生たちから重視されていくことになりそうだ。そのためにも企業は、今後、学生に就活ナビゲーターである就職ナビと連携しながらも企業自らが、多様な情報を発信していくという企業HPの拡充が今後の課題になっていくだろう。

学生による企業HP重視の動きを見てみよう。毎年のことだが 、学生たちは、就活開始時期においては、その多くが就職ナビや業界本、就職イベントで企業情報を得ているが、就活後期の内定先を決める段階となるとその情報源は多彩だ。

当社の学生アンケート調査(20年6月)によれば、この時期、学生が、参考とした情報源として圧倒的に多かったのは、企業のHP(ホームページ)だった。次が企業の社員・OBOGの話、以下、企業の業績など財務情報、転職サイトのクチコミ情報、離職率・残業時間などの労務情報、親の意見、友人・知人のアドバイスなどだった。これらの情報源のなかで学生の重視度が昨年より高まったのは、企業のHP、財務情報、転職サイトのクチコミ情報、労務情報で、減ったのは、社員・OBOGの話、親の意見、友人・知人のアドバイスだった。今年は、コロナ回避のために対面型のリアル情報が減ったのは理解できるが、企業HPの利用度が、61.0%→65.5%→73.5%と3年連続で重視度が、高まったことが注目される。

では、今年の学生たちは、企業HPに何を求め、どのような情報を評価していたのだろうか。今年の場合は、コロナ禍の中での就活だったということを留意しながら前掲調査をみると、今年の学生が企業情報として重視したのは、以下の3つだった。
① 企業の将来性
② 企業のコロナ対応
③ 企業の人事制度や働き方
これらの情報については、就職ナビが全分野をカバーしているが、概要にとどまっている。学生が、詳細を知りたいとなれば、個々の企業HPを見るしかない。

例えば、学生が知りたいという「企業の将来性」ということでは、企業のHPを見れば、経営トップによる将来ビジョンや目指す目標が様々に熱っぽく、語られている。今年の学生の最大の関心は、企業がコロナ禍にどのように対処し、克服して事業を展開させていくかにあったのだから、学生たちは、ホームページで企業トップが語る事業戦略や経営ビジョンをじっくり確認しながら、それぞれの企業の将来を理解し、就職先にするかどうかを判断したのだろう。 

今年の就活学生のもう一つの大きな関心は、企業のコロナ対策だった。この問題は、企業にとって大きな課題でどの企業もHPなどで独自の対策をさまざまレベルで具体的に公開していた。なかでも就活学生への対応は、学生の就職先選定基準になったようで、この企業の姿勢をHPで見ることで学生たちは、安心して応募した学生が少なくなかったという。

3番目に挙げられた学生の知りたい情報は、企業の人事制度や働き方だった。これは、大きな時代のトレンドである働きかた改革がそれぞれの企業でどのように取り組まれているかということだが、今年は、コロナ禍のなかで社員たちがどのように働きかたが変わったのか、処遇はどうなのか、学生たちは、企業のホームページを見ることで具体的に理解することができたはずだ。

このように最近の企業HPは、学生たちの知りたい情報の変化やインターネットの技術革新によって就職ナビとの連携を強めながらも新しい方向を模索し始めている。その一つは、企業HPがエントリー登録から企業説明会、インターンシップ、筆記試験、面接選考など採用活動全体のプラットホーム化して学生の囲い込みを強化していることだ。これによって企業は、学生とのコミュニケーション密度を高め学生の行動や思考力の情報を入手している。

もう一つは、自社のホームページにも新聞記事や経済誌、企業情報データベース(例えば、会社四季報)による客観情報を掲載したり、内定学生の企業評価、就活体験記(例えば、エントリーシートの記入例や面接での質疑応答)というクチコミ情報を強化したりして、クチコミサイトに対抗している。

さらに注目されるのは、企業が自ら企業情報をキーワード化して情報を発信するという動きである。これは、就活学生が知りたいキーワード(例えば、斬新な人事制度、魅力的な職種、高額な年俸、育児休暇制度、リモート勤務制度)を企業がHPやメルマガなどで発信する採用広報活動で、就職ナビを検索型で補完する関係となり、いわゆるオウンドメディアとして新しい企業広報の方向を目指す動きだ。このキーワードによる企業選択は、特色ある企業にとっては、魅力的な採用広報活動となるだけに中堅、ベンチャー企業からは注目されている。

今年は、コロナを契機にオンライン採用が急拡大した。このことによって企業にとっても学生にとっても企業情報の重要性と企業HPの役割が再認識されることになった。次年度は、多くの企業で企業HPの充実と就職ナビとの連携という新たな試みが多く見られることになるだろう。(夏目孝吉)

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