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2020.02.25 キャリアセンター訪問&インタビュー/東京大学 学生相談支援課 キャリアサポート室 杉田佳代子課長、上戸(カミト)麻依子氏、山田莉那氏

大学としての創立は1877年(明治10)。しかし、その起源は300年以上も前に遡ることができる。1858年(安政5)に開設された東京医学校と、1863年(文久3)につくられた開成所の系譜である東京開成学校の統合再編によって創設。この開成所は蕃書調所から改組されたもので、ルーツは1684年(貞享元)につくられた天文方(江戸幕府による天体運行および暦の研究機関)にある。幕末には洋学の教育・研究機関としての役割も担っていた。

今回は、東京大学キャリアサポート室の杉田佳代子課長、上戸(カミト)麻依子氏、山田莉那氏にお話を伺った。(編集上の理由により、発言者の表記は割愛させていただきます。)

◆キャリアサポート室の役割
本学の歴史は長く、学部ごとに蓄積してきた特色ある教育・研究システムがあります。就職関係の担当部署も各学部、研究科ごとに窓口があり、独自の取り組みや情報提供をおこなっています(※1)。それぞれの学問領域や学事日程を反映させた支援ができるというメリットは、大きいと言えるでしょう。

一方で、担当部署の規模の違いなどにより、支援サービスの厚みに違いが生じてしまうこともあります。そのため、各学部の就職支援を補完するセイフティネット機能を担い、全ての学生に充実したキャリア・就職支援を提供する部署として、2005年5月にキャリアサポート室が新設されました。

新卒採用には就活ルールがあるものの、実際の動きは年によって微妙に異なります。リアルタイムな変化を各学部で把握するのは困難ですし、毎年のように新しい採用手法が生まれています。現状に対応した使える情報とサービス提供をキャリアサポート室では心掛けています。また、就職支援にとどまらず、学生のキャリア形成のサポートも大切な役割です。

◆学業に配慮した支援プログラム
学生の本分は学業です。しっかり学問を修めてもらわなければなりませんし、そうしなければ単位がとれません。本学はクォーター制の学事歴(※2)を導入しています。学部学科ごとに必修科目の曜日や時間が異なるので、多くの学生が参加できる大規模な就職ガイダンスなども、現実的ではありません。

同じ内容の就職支援プログラムを、曜日や時間帯を変えて、複数回実施しているのは、こうした学業への配慮ゆえです。学生ができるだけ参加しやすいように、各学部のシラバスをチェックして必修科目を把握したり、試験期間を調べたりして、地道な配慮をしています。

理工連携キャリア支援室(※3)や数理キャリア支援室(※4)では、独自のイベントを実施しているため、日頃からの情報共有を大切にしています。他にも、留学生支援室や東京大学男女共同参画室と連携して共催イベントを企画するなど、他部署からも学生支援の情報は提供されています。

学生支援のネットワークが広がるのは歓迎ですが、学生からすれば、探しにくさが生じてしまいます。そのため、キャリアサポート室のホームページでは、一元化した情報を提供しています。学内イベントは時間的負担が少ないので、学業に忙しい学生、例えば実験の合間の1時間を活用して参加する学生などには、とても貴重な機会なのです。

◆学生主体のキャリア支援イベント
就職支援だけでなく、低学年からのキャリア支援にも力を入れています。前期課程1年生、2年生をターゲットにした「知の創造的摩擦プロジェクト(※5)」という取り組みがあります。この運営は東大ドリームネットという学生団体が主体となっています。

昨年12月には「東大卒業生120人と現役学生400人が本音で対話する『交流会』」を実施しました。この「交流会」は2005年からスタートして、すでに29回目を数えています。さまざまなキャリアを歩んでいる卒業生と交流することで、新しい生き方や価値観に気付けるイベントです。これをきっかけに卒業後の自分を想像し、大学生活を振り返ることができるでしょう。

他にも、学生自身の問題意識に基づいて、話しを聞きたい社会人を呼んで対話する「語る会」や、社会の第一線で活躍する著名人を招いて話しを聞く「講演会」も、東大ドリームネットが主体となり、定期的に実施しています。

低学年向けのキャリア支援イベントは、告知や集客の苦労はありますが、多様なキャリアの在り方を知ってもらう意義は大きいと考えています。多様な社会人との出会いを通して、自らの可能性を広げていってほしいですね。

◆多彩なキャリア選択の提示
就職先として、東大生が興味を持ちやすい企業傾向というものはあります。外資系コンサルや総合商社などのグローバル企業、大手金融などは、その一例でしょう。卒業生の多くが就職しているので、大手志向が強いのは仕方がない面もあります。一方で、ベンチャー企業やスタートアップへの関心が、少しずつ高まっているようにも感じます。

その背景には、東京大学アントレプレナー道場(※6)の影響があるかもしれません。起業やスタートアップについて初歩から体系的に学べるプログラムで、工学部の共通科目として単位も出ます。他学部生や大学院学生の受講も可能で、聴講のみの学生も含めれば300~400名が参加する人気科目です。

大手企業の情報は学生たちの周りに溢れています。卒業生も多いですし、ネットで調べることも容易です。私たちが紹介するまでもありません。学生が気付きにくい企業を紹介することにこそ、キャリアサポート室が関わる意味があると考えます。

企業からは敷居が高いと思われがちですが、本学生に関心を持っていただける理由があり、社会的に意義のある事業をおこなっている企業であれば、規模に関係なく学生に紹介したいと考えています。より多くの企業の方とお話できれば幸いです。

◆東大生に役立つリアルな就職支援
企業の方々が本学生に高い期待を寄せていただいていることは、日頃の業務を通して実感しています。改めて感謝申し上げます。昨今の高い採用意欲を反映してか、年々学生へのアプローチが早期化しています。本人の志望が定まっていないタイミングから企業の強い誘いを受けて、困惑した学生が相談に来ることも少なくありません。

新卒採用の選考プロセスは多様化しています。表からでは見えにくい、個別対応も増えています。今後、就職活動の自由度が高まれば、一律な支援ではフォローしきれないことも増えてくるでしょう。より充実したサービスを提供するためにも、キャリアサポート室の存在をより多くの学生に知ってもらう必要があります。3年生には紹介パンフレットを全員に配布し、周知に努めています。困ったことがあっても、ここに来れば大丈夫!そんな存在にしていきたいですね。

本学は多くの博士・ポスドクが在席しています。その方たちへの支援は、まだ手薄な部分があります。博士・ポスドクについては、学内の「合同企業説明会」で面談していただくことも可能です。限られた時間のなかで、お互いの意思確認が進むよう、運営上の配慮もしています。今後は、さらに活用してもらえる支援を目指します。

◆キャリアサポート室のこれから
2005年のスタートから15年が経とうとしています。徐々にではありますが、学内からの認知度もアップしてきました。関連部署と共催で学生支援を実施したり、学部主催のイベントで就職活動に関する説明依頼を受けたりなど、連携することも増えました。学生間で定着した支援サービスも増え、OBOGによる「キャリアデザインセミナー」は、2,500名以上が参加するイベントに育ちました。

一通りの支援体制は整ってきたと言えるでしょう。今後は学内の存在感をより高めていきたいと考えています。関連部署とのコミュニケーションをより密にして、長期的に本学のキャリア・就職支援を考えていける部署にしたい。そんな想いを抱いています。


※1
学部・研究科就職関係事務担当係
https://www.careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/about/window

※2
学事暦(クォーター制)
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/students/classes/gakujireki.html

※3
理工連携キャリア支援室
http://t-career.t.u-tokyo.ac.jp/

※4
数理キャリア支援室
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/career/

※5
知の創造的摩擦プロジェクト
https://www.careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/project/guide

※6
東京大学アントレプレナー道場
https://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/activity/venture/education/dojo.html


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<大学データ>
東京大学
http://www.u-tokyo.ac.jp

○キャリアサポート室(本郷キャンパス)
https://www.careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/
〒113-8654 東京都文京区本郷7-3-1
TEL:03-5841-2650
FAX:03-5841-2527
E-mail: career.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp


就職情報研究所 平野恵子

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