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2020.01.21 キャリアセンター長・インタビュー/共立女子大学・共立女子短期大学 就職進路課 統括課長 後藤弘太郎氏

 「自活の能力」と「自立した女性として必要な教養」の習得をめざして、1886年(明治19)に本郷東竹町に職業学校が創立され、翌年には現在の神田一ツ橋に移転。以後130年以上の長きにわたり、女性の実学教育のパイオニアとして、人材を輩出し続けている。宮川保全、鳩山春子、永井久一郎(永井荷風の父)、服部一三、手島精一など34名が共同で設立したことが、校名の由来となった。
 今回は、共立女子大学・共立女子短期大学、就職進路課の統括課長、後藤弘太郎氏にお話を伺った。

◆「小さな総合大学」における充実した女子教育
 本学が創設された1886年(明治19)というのは、自由民権運動の高まりによって、女性の人格が認められはじめた時代です。当時は「女子職業学校」という言葉自体、用いられた例はなく、極めて斬新なものだったようです。建学の精神は「女性の自立と自活」です。ここで言う“自立” とは「学生が社会に出て独り立ちできるように」という意味に留まりません。人や社会を支え、共に立つ“自立”を目指し、必要な教養と能力の習得を目指しています。

 新制大学として再スタートしたときは家政学部のみでしたが、社会の変化とともに、教育、芸術、建築、国際、医療と学問領域が増えていき、今では4学部7学科によって多様な人材を育成しています。「小さな総合大学」ならではの、きめ細やかな女子教育が本学の特徴の一つと言えます。

 女性の働く環境は、大きく変わりはじめています。生涯にわたり働き続けることが当然となり、AIなどのテクノロジーによって、求められる仕事の質も異なってきました。一般職や事務職という職種も少なくなっています。そのぶん、女性の進出が遅れていた職業分野に就く人が増えるでしょう。新たな女子教育が求められています。

 2020年4月に開設される「ビジネス学部」が、本学の考える新しい女子教育の第一歩となるよう、準備を進めているところです(※1)。

◆女子大初の「ビジネス学部」の開設
 日本の女子大学では初となる「ビジネス学部」が、来春4月に開設します。今の時代を反映させた、建学の精神「女性の自立と自活」を体現する学部と言えるでしょう。

 経営・マーケティング・経済・会計という主要4分野を修めつつ、語学や統計などの実際のビジネス現場で活かせるスキルを身につけていきます。他者との協働のなかでリーダーシップを発揮できる人材育成を目指しているので、企業と連携したPBL(課題解決型学習)も1年次から実施する予定です。

 「ビジネス学部」に限らず、PBLなどを導入したキャリア教育は、全学的に充実を図っています。丸の内や大手町など、日本の代表するビジネス街が徒歩圏内という都市型キャンパスの立地を活かし、それぞれの学部学科で企業や地域と連携した課題解決ワークショップなどを実施しています。

 最近では、大学だけでなく附属高校からPBL教育の相談があるなど、学園全体の動きも活発になってきました。高校から継続した支援が実施できれば、高大社が接続したキャリア教育を実施できるかもしれません。

◆4年間を見守り続けるキャリア支援
 就職進路課で作成した「キャリアデザインシート(※2)」を使い、4年間という時間をつかった教育・支援体制を整え始めています。入学前、1年前期&後期、2年前期&後期・・・と、卒業時までの自分の状況を定期的に書き込み、進路を具体化していきます。自分自身の未来を考え、必要な知識やスキルを見直すきっかけになるでしょう。

 このキャリアデザインシートは、今年からインターネットで共有され、学生だけでなく、教職員も必要に応じて閲覧できるようになりました。本学では、教員が担任制でアカデミックアドバイザーを務め、学修支援をおこなっています。今後は、キャリアデザインシートを共有した上で、履修科目の相談などが可能になります。大学生活のあらゆる場面で、教職員が連携した学生支援を目指しています。

 今後の取り組みとなりますが、在学中だけでなく、卒業後のキャリアを支える支援体制も整えていきたいと考えています。かつて事務職として入社した卒業生も、新たなスキルや知識を求められる場面が増えていくでしょう。都市型キャンパスである本学は、社会人の学び直しに適した環境と言えます。私自身、45歳の時に専門職大学院のビジネススクールに通いました。その経験からも、社会人になってから自分の意思で学問を修める楽しさ、大切さを実感しています。

◆短期大学や実学教育における配慮
 昨今は、インターンシップが就職活動のスタートラインになっているので、短大生は入学と同時に就職活動の準備を始めなければなりません。かなり厳しいスケジュールと言えるでしょう。

 短大に入学する学生で、4年制に編入を希望する割合はあまり高くなく、ほとんどが「2年後には就職する」という意思を持って入学してきます。時間は少ないのですが、彼女たちのやる気を生かした支援を心掛けています。ありがたいことに、短大生を採用したいという企業ニーズも持続しています。両者のニーズを汲み取り、円滑な就職・採用活動ができるよう、今後も尽力してまいります。

 職業学校を源流とする本学では、看護学部に代表されるような実学教育が盛んですが、それゆえの支援の必要性を感じることがあります。例えば、看護師を目指して看護学部に入学したものの、実習体験で「血を見るのが生理的にダメ」ということに気付く学生もいます。実学教育だからこそ、在学中のキャリアチェンジが必要なケースもあるわけです。

 以前は転部・転科を認める制度はありませんでしたが、今は一定の条件のもと認めています。キャリアチェンジするからといって、一からやり直してもらうのはあまりに酷です。もし本学で学びたい他学部があれば、その道を提供したいという思いで制度を変更しました。

◆コミュニケーション能力の高い学生
 今の若者はコミュニケーション能力が低い、といった言葉をよく聞きますが、私はそうは思いません。SNSを通して何百人とつながっていたり、インターネットで互いの意思疎通がきちんと図れていたりと、こちらが驚くような学生も少なくありません。彼女たちのコミュニケーション能力そのものは、高いと言えるのではないでしょうか。

 確かに、実社会におけるコミュニケーションに限定すれば、学生は未熟な部分があります。それは、単に社会に触れる機会が少なかっただけで、就職活動を通して社会人との交流が増えれば、自然と身につけることができるでしょう。

 組織内の社会人コミュニケーションを大学で全て身につける・・・というのは困難です。大学教育にあれもこれもと望まれることで、本来の学びが成立しなくなってしまう危惧も感じています。就職活動という経験を通して、少しずつ学んでいけばよいのではないでしょうか。

 本学生の特徴として、根幹的な真面目さといったものを感じます。多様な学部があり、目指すキャリアは本当に様々です。演劇を専攻している学生は、一見派手な世界に身を置いているように感じますが、身を立てる厳しさを理解し、自分の将来を真剣に考えています。やみくもに大人の理屈を押しつけるのではなく、彼女たちの考えを聞き、意思を尊重した支援をしていきたいと思います。

 今後、女性が働き続ける上で、従来とは異なる大変さが生じるように感じています。変化の早い世の中ですから、より「サバイバルする力」が求められるでしょう。自分が生きていく場所を得て、その立ち位置を保っていけるような「サバイバルする力」のある女性を育成していきたいと考えています。


※1 ビジネス学部
http://www.kyoritsu-wu.ac.jp/business/

※2 キャリアデザインシート
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/startup/career/


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<大学データ>
●共立女子大学・共立女子短期大学
(本館)〒101-8437 東京都千代田区一ツ橋2-2-1
Tel:03-3237-2404(総務課)
https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/

就職進路課(本館2階)
Tel:03-3237-2525
FAX:03-3237-2672
E-mail:shushoku@kyoritsu-wu.ac.jp

[学部]
家政学部
 被服学科、食物栄養学科、建築・デザイン学科、児童学科
文芸学部
 文芸学科
国際学部
 国際学科
看護学部
 看護学科
ビジネス学部(2020年4月開設)
 ビジネス学科

[短大]
生活科学科
 メディア社会コース、生活デザインコース、食・健康コース
文科
 日本文学・表現コース、英語コース、心理学コース

[大学院]
家政学研究科、文芸学研究科、国際学研究科、看護学研究科

 

就職情報研究所 平野恵子

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