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2016.01.12 2016年 採用担当者の課題

昨年は「指針」初年度だったが、その展開は予想どおり企業、学生ともに大混乱だった。とりわけ、企業にとっては「指針」への対応に苦慮しながらの暗中模索の長期間の採用活動となった年だった。それが「指針」の見直しになったのだろうが、こうした16卒採用の総括の上で、企業はそれぞれの課題を決意したはずだ。そこで、今回は当社の「2015採用活動調査」から17卒採用の課題を5つあげてみよう。


1.「改定指針」への対応

昨年末に改訂された「新・指針」への対応がどの企業にとっても最大の課題だ。とくに選考開始日が8月1日から6月1日へと2カ月も繰り上げられたことによって、昨年、8月選考を遵守した大手企業は、選考プロセスを全面見直しすることになった。この選考開始日とは、面接、選考そして内定が解禁されるということなので、出足の早い企業は、6月の第一週には内定を出すことも予想される。

従来の例では、選考開始から1か月で大手企業の内定出しがピークとなり、2か月後には採用活動は、終息していた。そうなると今年は、7月末には決着がつくことになる。

そのためには、各社とも学生への就職情報の提供、志望度の促進、面接候補者の絞り込み、学生との面談などは、3月から5月末までに密度濃くしなくては6月に他社と選考活動を競えなくなる。しかも昨年のようなインターネットで選別するという余裕はないから企業の当面の課題は、昨年同様、早期からの面談会の開催と若手社員による学生との継続的な接触が対応策となりそうだ。


2.内定辞退対策

昨年の採用では、準大手企業や中堅企業では、内定辞退が激増、結局、8月以降には欠員を補充することができず、多くの企業が採用計画未達となった。これに比べて大手企業や人気企業は、内定辞退者がほとんどなく、採用計画を達成した。

今年はどうか。大手企業が6月下旬から内定を出し始めるとすると、大手企業は、内定学生の迷いや他社からの勧誘を排除するために7月からは、きめの細かい内定者フォローをしなくてはならない。今年は、大手企業が防衛する番だ。

その時に警戒したいのは、中小企業の熱烈な内定学生へのアプローチでなく年々増えている大手企業の夏採用や秋採用である。これは、大手企業同士の闘いだが、今年は、大手企業といえども内定者フォローが重要な課題になりそうだ。


3.WEBを使った採用手法、

採用活動においてインターネットの活用はめざましい。とくに数年前からのスマホの登場は、採用活動の敏速化と学生との関係を緊密化させることになった。会社説明会の案内、緊急連絡、特定個人向けの情報提供だけでなく、採用担当者のブログやツイッター、フェイスブックが、採用活動においても重要な役割を果たし、スマホからの応募、プレゼン、ネット面接に発展した。

さらにスマホの高度化はWebからの社員訪問、LINE座談会、能力検査、若手社員の顔を見ながらの質疑応答などを可能にしたが、今年は、さらにスマホの機能を駆使した新しい採用・選考活動が模索されることになるだろう。


4.逆求人システムの開発

従来の採用方式と異なる「逆求人システム」の開発も採用担当者の課題だ。これは、「じっくり面接をするために多すぎるエントリー者を選別したい」「自分からアピールできる学生を採用したい」「解禁日前から積極的に動く学生と会いたい」といった動きへの対応だ。

この動きは、前述のWEBを使った学生の就活でも見られるが、逆求人システムは、すでに一部のハローワークで実施されている。そこでは、新卒学生(未内定者)の求職者情報をネットに上げてマッチングをめざしているが、これはハローワークと大学との連携だけに限界がある。

自分を売り込みたいという積極的な学生から企業へのアプローチは、企業としても歓迎するところだから、今後は、優秀な学生が自ら参加するという「逆求人システム」の開発が企業にとっても就職支援会社にとっても新しい課題となった。


5.女性採用の新戦略

女性採用の強力推進も今年の重要な課題だ。雇用均等法の施行以降、新卒採用においては、差別は、大きく減ったように見えるが、新卒においては、採用数が少なく、職種も限定的。そのため女子学生の就職難は相変わらずだ。

しかし、昨年8月に成立した女性活躍推進法は、女性の特性を活かした職務開発や人事制度の改革を企業に要求、女性の採用数や管理職数などの数値目標、取組内容を明示することを義務づけた。

このトレンドへの対応は、新卒採用から着手するしかない。その課題は、1.多様な働き方(地域限定、職種限定、有期雇用)の拡大、2.雇用形態や職種・コースの転換制度の明示、3.採用数を増やすための職域開発などだ。

将来を見極めれば、メーカーにおいては、理工系女子の採用、金融、サービス業においては、総合職における男女同数採用が当面の課題になるだろう。



[16.01.12]
就職情報研究所 顧問 夏目孝吉

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